Dancing in the Rain

Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

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【国際法判例】ガザ地区におけるジェノサイド条約適用事件(南アフリカ対イスラエル:ICJ仮保全措置命令)

国際法判例シリーズ。この記事では、ガザ地区におけるジェノサイド条約適用事件のICJ仮保全措置命令についてまとめています。 【事件名】ガザ地区におけるジェノサイド条約適用事件 【当事国】南アフリカ v. イスラエル 【決定日】国際司法裁判所(ICJ)仮保…

裏切りの報酬【旅エッセイ/アルバニア】

「ここで次のバスに乗り換えればいい」首都ティラナから石の街ジロカストラへと向かう途中、交差点のど真ん中で降ろされる。交差点といっても、未舗装の道が文字通り交差しているだけで、バス停のようなものも見当たらない。何の標識もない。誰かに道を聞こ…

強盗に遭った後の数時間のうちに起きたことについて【旅エッセイ/パナマ】

ようやく宿に戻ると、見慣れない日本人の女の子が二人、パティオの席に座って談笑していた。足元には大きな荷物置かれていた。昨日は見かけなかったから、ついさっき到着して一息というところなのだろう。 僕は軽く会釈して、彼女たちの前を横切った。オラ、…

香港、一人旅、夏【旅フォト・ポートフォリオ】

2023年夏。 久々に一人旅に出た。 行き先は、14年前に家族で行った、香港。 張り出した漢字の看板がなんだか物珍しくて見上げるたびに写真を撮ってしまう。 どことなく懐かしくてノスタルジックなフィルム調の写真によく合う街並み。 東京に負けず劣ら…

自分の目で見ること、耳で聞くこと(閉ざされた街で)【旅エッセイ/イスラエル】

僕はいつか自分の言葉で語らなければならないと思う。イスラエルのことを。パレスチナのことを。正義について。弱者について。 自分がこの目で見たことを、肌で感じたことを、ありのままに語らなければならないと思う。できる限りバイアスを排除して。主張の…

コルカタの夜、二つの瞳【旅エッセイ/インド】

「君、いい靴を履いているね」 コルカタの雑踏の中でふと足を止めたとき、後ろから二人組の若いインド人の青年に声をかけられた。インドの町中で声をかけられるのにはもう慣れっこだったし(大抵何らかのトラブルに見舞われることになるのだが)、その日は特…

次の風がまた吹き始めるまで【旅エッセイ/モロッコ②】

砂山に足を埋めながら、尾根を一歩一歩進んでいく。結構な高さがあるけれど、不思議と怖さはない。落ちても大した怪我はないだろうとたかをくくっているからだろうか。額に汗がにじむ。 日陰の側の砂にそっと素足をつけてみる。同じ砂とは思えないくらい冷ん…

まどろみの中で【旅エッセイ/アメリカ(アリゾナ・ユタ)】

聞き慣れたアラームで目が覚める。午前5時。凍えるように寒い。ぱちぱちと雨粒が車体に当たる音が聞こえる。 窓から外を覗くと焚き火はすっかり冷たい灰へと姿を変えていた。車の中で身を屈めて寝ていたせいで体の節々が軋む。このままもう二度と朝はやって…

耳を研ぎ澄ませること【旅エッセイ/アメリカ(ニューオーリンズ)】

初めてのニューオーリンズなんだけど、どこに行けばいいんだろう、と僕は言った。バーボン・ストリートにひっそりと佇む年季の入った小さなバー。一面の鏡と端正に並んだ酒瓶を背にカウンターに立つ往年のバーテンの姿は、昔、教科書で見たマネの絵画をどこ…

隔絶した大地で【旅エッセイ/アイスランド】

とにかく眠い。もう5時間くらい運転し続けている。さすがに小曽根真のピアノも聞き飽きてくる。 アイスランドという国には公共交通機関という概念がないようだった。観光するにはツアーに参加するか、車を借りて自力で周るかになる(そしてもちろん僕は後者…

ペルセポリスのフィジー人【旅エッセイ/イラン】

シーラーズのホステルに着いたのは早朝だった。さすがにチェックインにはまだ早い。宿には開放的なテラスになったレストランが併設されている。朝食の席には先客がいた。 「息子に勧められてね、1ヶ月間イランを旅することにしたの」とクリスは言った。よく…

救世主の街と虹の降り注ぐ教会、偶然出会った天使【旅エッセイ/エルサルバドル】

外を自由に出歩けない街というのは、サンサルバドルが初めてだった。もちろん、危険を顧みずに動き回ることだってできたかもしれない。でも、良くも悪くも僕はもう昔みたいに眩しいくらいの根拠のない自信に満ちた若干20歳の無鉄砲な旅人ではなかったし、…

あるいはメタフォリカルな窓をくぐり抜けて【旅エッセイ/モンテネグロ】

「廃墟の教会が見えてきたら、その窓から外に出るのよ。そうしたら帰りはちゃんと城壁を辿って帰ってこれるから」と彼女は言った。そこに必要な情報が欠けているのは明らかだったけれど、彼女のそのどこか預言じみた断定的な口調は、それ以上僕が質問するの…

鏡【旅エッセイ/アメリカ(テキサス)】

「鏡の中に見えるものは、実際はより近くにあることがあります」 ふと目に入ったサイドミラーにはそう書いてあった。事故を防止するための注意書きなのだろうけれど、なんだかそれは深遠な哲学的命題のように響いた。もう何日も同じ車に乗っているのに、どう…

引き延ばされた時間の中で

時々、アメリカにいた頃のことを思い出す。もう何年も前の話だ。 日本に帰る2カ月くらい前、2年ほど住んでいた家を引き払った。というか、リースが切れて追い出されてしまったという方が正確かもしれない。早速次の入居人がずかずかと入ってきては内覧をし…

イゴールの深い深い森の話【旅エッセイ/ロシア】

モスクワからサンクトペテルブルクまでやってきたら、次にどこへ向かうか。フェリーで数時間かけて北欧へ抜けるか、国際バスでバルト三国に下るか、という2つの選択肢がある。ロシアで出会った多くの旅人は前者を選んだ。後者を選ぶのはなかなか渋いという…

たぶん二度と会わない君へ【旅エッセイ/ボリビア】

15時にウユニ村を出発した3台のバンは、途中で塩工場の町(みたいな名前だったと思う)に立ち寄って、夕暮れ前のまだ明るいうちに塩湖に到着した。思えばずっとこの時を待っていたのだ。鏡に映したような果てしない大地の広がり。湖面に反映する青空と白…

やがて雨足が迫ってくるまで【旅エッセイ/スロベニア】

森を抜けて湖に出る。 さすがスロベニア随一の観光地というだけあって、ブレッドの湖畔の一帯にはホテルやレストランが所狭しと立ち並んでいた。それでも観光客で賑わう人気のリゾート地というよりも、由緒正しき避暑地といった落ち着いた風情で、その一帯を…

ハリケーンと夜の汽笛、何かを待つということ【旅エッセイ/アメリカ】

巨大なハリケーンから逃れるために、グレイハウンド(アメリカ南部ではほぼ唯一の長距離バスだ。ビリー・ジョエルの昔の曲に出てくる)で、ノース・カロライナからジョージアのアトランタ、それからテネシーのナッシュビルへと向かった。ちょうど大学院の授…

青い街への長い道のり【旅エッセイ/モロッコ】

イベリア半島からジブラルタル海峡を渡ってモロッコへと抜ける。当初の予定なら、もうとっくに次の目的地であるシャウエンに到着しているはずだった。どれくらいバスは山中で立ち往生しているのだろう。随分と小雨にはなったけれど、濁流がどこからともなく…

バックパッカーのためのタクシー交渉術

バックパッカー時代、旅先では基本的にタクシーは避けるようにしていたのだけれど、たまにどうしてもタクシーを利用せざるを得ないような時があった。それも、よりにもよってカンボジアとかインドとかの途上国で、絶対に流しのタクシーなんかに乗りたくない…

タタール人とカワハギ(あるいは見晴らしの良い高台への行き方)【旅エッセイ/ルーマニア】

どういう経緯だったのか忘れてしまったけれど、ブカレストからドラキュラ城のあるブランへ向かう途中、ブラショフという小さな町に立ち寄った。山に囲まれた古い町だった。名前こそよく知られていないものの、中世の町並みを今に残す美しい町で、ルーマニア…

シャム王と台風クラブ【旅エッセイ/アルバニア】

アルバニアの港町サランダは、前評判に及ばずどこか面白味の欠いた、どちらかといえばつまらない町だった。イオニア海に面したリゾート地とは銘打っているけれど、美しい海ならクロアチアやモンテネグロで散々堪能したし、風光明媚な景色を楽しむにしてはあ…

あの夜、カリフォルニアの荒地の真ん中で起きた出来事について【旅エッセイ/アメリカ】

あの夜、僕らが経験した出来事は、果たして本当に風の仕業だったのか、今となってはうまく確信が持てない。 それは確かに砂利土を踏みしめる足音のように聞こえたし、実際に何者かがざわざわとテントの内室を外から揺らしていたように思えた。けれど、考えれ…

アメリカ小景:我が心のジョージア、アトランタ【旅フォト・ポートフォリオ】

Atlanta, GA Sseptember 13th, 2018 とある有名な米ドラマに出てくるワンシーン。一応見ておこうと郊外を彷徨う。 Georgia Peach ノースカロライナからバスで何時間もかけてたどり着いたアトランタ。 高層ビルに囲まれて、やっと南部の中心まで来たという感…

アメリカ小景:音楽の街、ナッシュビル【旅フォト・ポートフォリオ】

Nashville, TN September 14th, 2018 Nashville's iconic 'Batman Building' or should I say Cat Tower? バットマンビルとも呼ばれるナッシュビルのシンボル。猫のように見えなくもない。 Since Hurricane Florence was approaching, I was runnig to the W…

アメリカ小景:建築の街、シカゴ【旅フォト・ポートフォリオ】

Chicago, IL August 16th, 2019 Chicago is definitely the home of modern skyscrapers. 僕にとって摩天楼といえば、ニューヨークではなく、シカゴだった。 The Chicago Teathre / シカゴ劇場 Trump International Hotel & Tower Chicago / トランプタワー…

アメリカ小景:ジャズと音楽の街、ニュー・オーリンズ【旅フォト・ポートフォリオ】

New Orleans, LA November 25th, 2018 An iconic view of red trams and palm trees along the street. 赤いトラムと立ち並ぶ椰子の木は、紛れもなくこの町のシンボルだ。 French Quarte The district lingering of French colonial past. フランス植民地時…

【国際法判例】ジェノサイド条約上のジェノサイドの申立て事件(ウクライナ対ロシア:ICJ仮保全措置命令)

国際法判例シリーズ。この記事では、ジェノサイド条約上のジェノサイドの申立て事件のICJ仮保全措置命令についてまとめています。 【事件名】ジェノサイド条約上のジェノサイドの申立て事件(ウクライナ対ロシア) 【当事国】ウクライナ v. ロシア 【決定日…

(1)EU法の法源【EU法】

ずっとまとめたいと思っていたEU法。いつまで続くか分かりませんが、まずはEU法の法源とEU法秩序におけるヒエラルキーについてまとめてみました。 EU法の法源と分類 成文形式と不文形式 一次法(Primary Law)と二次法(Secondary Law) EU法秩序における規…