Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

(9)団体交渉

⑴団体交渉の意義

   労働組合が団結の力を背景にして、使用者と対等の立場で労働条件等の交渉を行うこと

   使用者には団交応諾義務があるが、労働者側にはない(労組7条2号)

⑵ 団体交渉の要件・手続

    団交当事者=合意文書の当事者となりうる者

     使用者側=使用者団体及び経営者

     労働者側=単位組合、上部団体(実質的な統制力を有する)、単位組合の支部(それ自体で一個の労働組合としての組織を有すること)

     未組織労働者集団=代表者を選んで交渉を整えれば、憲法上の保護を受けるが、協約締結能力はない

    使用者概念=労働条件の決定について直接かつ具体的な支配力や影響力を及ぼし得るもの=契約上の使用者よりも拡張

      複数組合による共同交渉=統一意思と統制力が確立されていることが要件(旭ダイアモンド工業事件)

      被解雇者の組合=解雇の効力、未払い賃金や退職金の支払いを求めているような場合は当事者たる

    交渉担当者

        使用者側=会社の代表者・経営者

                支社長工場長の場合、権限なきことを理由に交渉を拒絶することは違法(全逓都城郵便局事件)

         労働者側=労組の代表者、労組の委任を受けた者(労組6条) 

           ただし、交渉内容について妥結するには、通常、組合大会での承認が必要

      唯一交渉団体約款は公序良俗に反し無効である(住友海上火災保険事件)

⑶ 義務的団交事項・誠実交渉義務

    義務的団交事項=労組法に明確な規定なし

   ①労働条件その他待遇(労組2条):賃金、労働時間、安全衛生、労災補償、職場環境、人事考課、人事異動、懲戒、採用、解雇、福利厚生、企業年金

   ②使用者との関係で使用者が処分可能なもの:組合員の範囲、ユニオン・ショップ、便宜供与、団体交渉・労使協定のルール、争議行為の手続

   拒否すれば使用者に不当労働行為が成立 

   経営権事項でもそれが労働条件に直接の関連を有すれば義務的団交事項に当たる(日本プロ野球組織事件) 

非組合員の労働条件の団交申し入れは拒否できる

    誠実交渉義務=当事者にあり、反すれば交渉打ち切りも可能

    ストに突入しても消滅しない

 中立保持義務:複数の組合と同時に団体交渉等を進める場合、労使関係の具体的状況に応じて中立的な態度をとることが義務付けられる

  ただし、圧倒的多数の労働者が加入する組合と先に合意に達したため、それ以降少数組合との交渉で多数組合との合意内容に固執したとしてもそのような使用者の態度は、各組合の組織力・交渉力の差に応じた合理的な対応として中立保持義務違反とはならない(日産自動車事件)

  組合の多数派が、企業外の上部団体から脱退して企業内組合となることを議決し、脱退反対の少数派が当該組合の組織を整理した状況では、双方と交渉を行わなければならない(東洋シート事件)

⑷ 団交拒否の救済手段

    労働委員会による救済命令(労組27条)

 司法的救済: 団交を求める地位の確認訴訟も可能(国鉄事件)