Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

(34)国際安全保障②

5 強制措置
(1) 暫定措置 40条
 39条の事態をの存在を認定した場合、直ちに強制措置を講じるのではなく、適当な勧告や必要と認める暫定措置を要請することができる(39条・40条)
(2)非軍事的措置 41条
  経済制裁、交通・通信手段の中断、外交関係の断絶
(3) 軍事的措置 42条
  平和の回復のために41条の措置では不十分であると認めるときは軍事的措置を取ることができる 憲章上、当該措置は安保理との間に結ばれる特別協定に基づいて編成される国連軍によって遂行されることが想定(43条)しかし、冷戦下における国連軍の規模や編成について対立が顕在化
  これまでの軍事的措置:安保理の勧告=朝鮮戦争国連軍 授権方式=湾岸戦争多国籍軍 その他、ソマリアルワンダ、ザイールの内戦、ハイチ・シエラレオネのクーデタ、リビアカダフィ
(4)授権方式の軍事的措置
 加盟国に武力行使を授権=許可する多国籍軍型の形態と、国連が行うPKO自衛権の行使を超える武力行使を是認するものに分けられる
 湾岸戦争に対するイラク:即時無条件撤退要請決議(決議660)経済制裁決議(決議661)による改善なし 「必要なあらゆる手段を取ることを許可する」決定(決議678)
 決議には根拠規定の明記なし(ただし、批判する学説は少数説):42条に含まれる非拘束的=勧告的軍事行動とみる立場 軍事的措置は拘束的・強制的行動を想定したものであるが、必ずしも非拘束的軍事的措置を排除したものではない cf.イラク戦争では英米安保理の授権を欠いていたケース
(5)強制措置の性格と限界:任務の本旨は秩序の「維持または回復」であるので、純立法的・司法的決定に踏む込むことはできないと解される ex.一般的な法規範の創設
 
6 地域的機関と強制措置
 地域的紛争に関係する地域的機関による解決の推奨(52条)ただし軍事的措置は安保理の「許可」が必要(53条)cf.1999年NATOによるユーゴ空爆
 
7 総会による安全保障
 「平和のための結集決議(決議377)」平和に対する脅威等の発生にもかかわらず、安保理が拒否権を行使し行き詰まった場合は、総会が自ら兵力の使用を含む集団的措置を加盟国に勧告しうる
 11条2項は「行動」につき安保理の付託を規定 国連経費事件では、当該行動は第7章の「強制行動」をさすとした
 
III 平和維持活動(PKO
1 国連システムにおけるPKOの性格
 国連平和維持活動:伝統的には紛争当事者の同意の下に国連の部隊を現地に介在させ、停戦の監視や兵力の引き離し等の措置をとりつつ敵対行為の再発・拡大を阻止する活動
 停戦監視型PKOの任務は基本的に受動的・保守的・暫定的性格を持つ cf.国家構築型PKO(1990年代)
  憲章第6章は紛争の平和的解決=「平和創出」の機能 第7章は強制措置=平和回復のための「平和強制」PKOはいずれにも属さない「平和維持」明文を欠くが国連経費事件で承認
  基本原則:国連の実践行動をとおして形成された活動形式であるので固有の法的枠組みを有さない=多種多様な任務、理念的には矛盾していても行われてきた
  ①同意原則、②公平性 impartibility、 ③武器不使用原則(自衛以外)ガリ事務総長(平和への課題ー追補・1995)法的要件ではなく指導原則?
 
3原則の根拠:
(1)同意原則:強制措置の一環でない限り関係国の同意を必要とする ①領域主権の要請②実効性の要請 強制措置と区別する上で重要「上位原則」
  内戦時の紛争当事者の問題:全ての紛争主体の同意が必要か、中央政府が存在しない場合どうするか
(2) 公平原則と武器不使用原則:全ての当事者に対して中立・不偏であることが求められる=一方の当事者を害することも利することもその任務でない 
   武器不使用は、その活動の主眼が制裁の実施や解決を強制することではないため 
 
2 PKOの変遷
 伝統的PKOは3原則の下に停戦監視、兵力引き離し、武力抗争の再発の防止を主任務としてきた
 憲章上の制度的枠組みを持たないため、派遣活動によってその任務・目的・性格・構成・規模を多様に変化してきた
(1)平和強制活動 peace enforcement
  第7章の強制措置と結合 当初は伝統的PKOとして派遣されたにもかかわらず、事態の進展に対応すべく任務権限が拡大強化 多国籍軍の任務を承継・連動
 第二次国連ソマリア活動 UNOSOMⅡでは、第7章の行動として必要な措置を取ることを許可(決議814・1993年)内戦の一方当事者と敵対行動を起こす事態となり撤退
 旧ユーゴの国連保護軍 UNPROFOR 第7章の行動として幾つかの安全地域の防衛のための武力的措置をとる権限を与えるとともに、各国家がこれに支援するための必要な措置を取ることを承認
 ガリ事務総長が「平和への課題」で提唱した「平和強制部隊」の実行版と言えるが、2つの活動が失敗に終わったことで軌道修正 
(2)国家構築型
  内戦で疲弊した国家の再建に従事する形態のPKO=「紛争後の平和構築」機能
  包括的平和協定に基づき国家再建を究極目標とするため、秩序回復、武装解除、選挙監視、難民の帰還、人権の保護、統治組織の再建、など大がかりの任務を必要とする。編成も軍事部門、民生部門、行政部門等大規模なもの。
  国連ナミビア独立支援グループ(1989)が嚆矢 その後、国連カンボジア暫定統治機構 UNTAC (1992)東ティモール暫定行政機構・コソボ国連暫定行政機構(1999年)
  後2者は第7章を基礎=平和強制型と異なり、それ自体を主目的とするのではなく、不測の事態に効果的に対処するため 依然としてPKOの性格を残す。
 
3 日本とPKO
 PKO協力法(1992):当初は停戦監視や武装解除などの本体業務への参加を凍結=後方支援に限定 2001年法改正により解除
 条件①紛争当事国間の停戦の合意②日本参加に対する受け入れ国・当事国の同意③活動の不偏性・中立性の維持④以上の原則が満たされなくなった場合の撤収⑤武器使用の最小限の制限
 

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