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(10)国際的な強行法規及び統一法と渉外実質法【国際私法】

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この記事では、国際的な強行法規及び統一法と渉外実質法についてまとめています。どちらも渉外法律関係を直接に規律するものであるので狭義の国際私法(抵触規則)との関係が問題となります。

 

定義 

国際的な強行法規とは、通常の強行法規よりも強行性の度合いが高い法規の中には、たとえ事案が渉外的であっても、法の適用に関する通則法(通則法)などの通常の抵触規則が指定する準拠法が別の国内法であろうともなお強行的に適用されるべきもの。

問題の所在

例えば、以下のような場合、通則法第7条により、契約の準拠法はオランダ法となり、契約の成立及び効力の問題一般についてはオランダ法が適用される。よって日本の強行法規が適用されることはないのが原則。しかしこれでは日本の禁輸措置の趣旨・目的を達成することができない。

日本企業甲は、ブラジルからコーヒー豆を輸入する契約を締結し、オランダ法を準拠法とする管轄条項を設定した。その後、日本政府はブラジルに経済制裁を実施し、同国との契約を無効とする法律を制定した。甲は当該契約の有効性を主張できるか。

国際的な強行法規の性質

  • 国際的な強行法規は、通常のそれよりも国家による公権力性を強く反映しており、外交関係や経済関係に対する国家の政策的意図を実現するためのものとなっている。
  • また、国際的な強行法規は、それを遵守することが、ある国の政治的社会的経済的構造のような公的利益を保護するためにその国にとって決定的に重要であるような強行法規であり、準拠法がいずれの国の法であろうとも自己の適用範囲に入る事案には常に適用されることを要求する。
  • このように強行法規が通常の抵触規則が指定する準拠法とは別枠で適用されることを強行法規の特別連結という。  

強行法規の特別連結の必要性

法律関係からのアプローチ(双方主義)によっては、法規の趣旨目的を考慮せずに内外法を平等に扱っていることから、強行性の度合いの高い強行法規については、例外的に法規からのアプローチ(一方主義)によることになる。

特別連結の法律構成

  • 通則法には明記されておらず、どのような規定が強行規範といえるか困難。
  • 解釈論として、法廷地である我が国の強行法規については特別連結することが可能とするのが多数説。
  • 禁輸措置等の法規は、自分が適用される範囲について、その趣旨目的から、契約準拠法のいかんを問わず、強行的に適用されることを要求していると解釈でき、これは一般的に定める通則法との関係では特別法であるから、原則優先すると考えることができる。
  • 一方で、第三国の強行法規についてこのような説明は困難。この点、「考慮」はされ、無視されるのではないとする。
  • 具体的な例として、禁輸措置や労組法7条1項(不当労働行為)が考えらえる。

統一法と渉外実質法

国際私法によって準拠法(実質法)を指定することで間接的に問題を処理するのではなく、渉外的法律関係をもっぱら規律することを目的としている実質法として、統一法渉外実質法がある。 

統一法の意義

  • 統一法とは、内国の実質法(私法や民事手続法)を国際的に統一することを目的とする条約を指す。ex.ウィーン売買条約
  • 国内の私法を各国で共通のものとすることができれば国際私法(抵触規則)によって準拠法を選択するという処理は必要としなくなることになる。
統一法の種類
  • 万民法型統一法:国際的な法律関係に限定して締約国の実質法の内容を統一する条約。国内問題についてはその法的効力が及ばない。
  • 世界型統一法:国内的な法律関係についても各国の法を統一する条約。
統一法と国際私法の関係
  • 統一されているのはすべての法分野ではなく取引法の一部であり、また、締約国も限られていることを考えれば、依然として国際私法は必要。国際私法と統一法の関係では、統一法条約がどのように考えているかによる。
  • 直ちに統一法を適用すべきか、それとも国際私法により準拠法を選択し、そのように指定された準拠法が締約国法である場合には条約を適用する、とすべきかについては、条約は法律たる通常の国際私法に優位する。

国内法による渉外実質法

渉外実質法とは、国際的な法律関係の規律を目的として特別に規定されたものであって、かつ、規律内容を直接・具体的に規定している国内法。ex.国際会場物品運送法

通常の抵触規則との関係
  • 外人法:内国における外国人の私法上の地位、権利享有を定める法規範のことであり、外国人土地法や民法2条がこれにあたる。
  • この外国人を直接規律する外人法と抵触規則のどちらが優先するかにつき、通説では、抵触規則により内国法が準拠法として指定されて初めて外人法が適用されるとする。

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