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(2)訴訟手続の開始 I 【民事訴訟法】

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独学で学んでいた民事訴訟法のまとめです。大学時代に民訴を取らなかったというちょっとした後悔から手をつけて見たもののまさに眠訴で昼休みに読むものじゃなかったですね。

 

訴えの概念

訴え:裁判所に対して、他の者に対する特定の権利または法律関係の主張を提示し、これに基づいて一定の内容及び形式の判決を求める申立て。

ex.原告が、裁判所に対して、被告に対する契約から生じた請求権の主張を提示しつつ、これに基づいて被告は原告に対し金銭を返還せよ、という内容及び形式の判決を求める申立てを行う場合

cf.請求:原告が被告に対してする特定の権利主張。これに加えて裁判所に対する一定の内容及び形式の判決の要求を含む広義の請求もあり。

訴えの類型

大きく分けて給付の訴え、確認の訴え、形成の訴えに分類。

給付の訴え

被告に対する給付請求権の主張に基づいて、被告に対して一定の作為・不作為を命じる判決を求める申立て。

「現在の給付の訴え」と「将来の給付の訴え」:事実審の口頭弁論終結時に履行すべき状態にあるか否かで区分。ex.期限未到来の請求権や停止条件付請求権などが後者

給付判決は執行力及び既判力を有するが、棄却する確定判決は既判力を有するが、「確認判決」であり執行力や形成力を持たない。

確認の訴え

特定の権利の存在または不存在の主張に基づいて当該権利の存否の確認する判決を求める申立て。

「積極的確認の訴え」=所有権存在確認請求などと「消極的確認の訴え」=債務不存在確認請求などに区別

判決には既判力があり、紛争の基本となっている権利の存否を確定することで派生紛争を含めた紛争を根本的に解決する機能や紛争予防機能がある。

形成の訴え

一定の形成原因の主張に基づいて、裁判所に対して一定の法律関係の変動をもたらす判決を求める申立て。

「実体法上の形成の訴え」=離婚など変動すべき法律関係が実体法上のものである場合と「訴訟法上の形成の訴え」=再審の訴えなど訴訟法上のものである場合とがある。

形成判決:判決で宣言された法律関係の変動が生じる。形成力は請求認容判決のみにあり、請求棄却判決は確認判決。

訴え提起の方式

訴状の裁判所提出(133条1項)

口頭での訴え提起は許されない(簡易裁判所を除く。)。訴え提起には所定の手数料を裁判所に納付しなければならず、手数料は、訴訟の目的の価額(訴額)に応じて定められる。(民訴費3条)

訴額:原告が訴えによって主張する利益によって算定(民訴費4条①、民訴8条①)請求が全部認容され、その内容が実現された場合に原告にもたらされる直接の経済的利益を指す。果実、損害賠償、違約金または費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは訴額に参入しない。(9条2項)財産上の請求でない請求(ex.離婚)及び訴額算定が困難が極めて困難なもの(ex.住民訴訟)については160万円とみなされる(民訴費4条2項)。

訴状の記載事項

当事者及び法定代理人と、請求の趣旨及び原因を記載(133条2項)これらの記載の欠缺は訴状却下の原因となる。必要的記載事項(137条)

(1)当事者及び法定代理人

原告及び被告が他の者から認識できる程度に特定したものでなければならない。訴訟代理人の記載は、その欠缺が訴状却下の原因になるという意味での必要的記載事項ではない。

(2)請求の趣旨及び原因

請求の趣旨:原告の要求する判決の内容及び形式の表示。 ex.「~支払え」「確認する」  

請求の原因:原告による権利主張を特定する事実。請求を理由づける事実についても具体的に記載することを求める(民訴規53条)間接事実も記載することが防御の対象が明らかになり訴訟の円滑な進行に資するが、欠けていても訴状却下の原因とはならない。

請求の特定:当事者によって特定された事実についてしか判決することができない(=処分権主義)のため不可欠。金銭の支払いを求める訴えについては数額を訴状に明記することが必要。金銭債務不存在確認訴訟の場合は明記せずとも不適法とまではいえない。

訴え提起後の手続

事件の分配後、所管裁判長は訴状の必要的記載事項に不備がある場合は相当期間内に補正をするよう命じなければならない(137条1項前段)補正なければ却下(同2項)即時抗告可能(同3項)

訴状の送達:副本を被告に送達(138条1項)補正命令あり。

訴状が適式であっても当事者のその後の訴訟活動によって訴えを適法とすることが全く期待できないような場合、裁判長は送達前に判決を持って却下できるとした判例あり(最判平成8年5月28日)。

口頭弁論期日の指定(139条):訴え提起後30日以内が原則。

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