Dancing in the Rain

Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

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Dancing in the Rain 雨の中で踊ることについて

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せっかくはてなブログをProにしたので気合を入れて書いていこうと思っているのですが、過去の記事の編集ばかりに勤しんでいて(これはこれで楽しい)今はわりと時間があるにも関わらず新しい記事をなかなか書けないなと思っています。

これまで国際法とか判例とかアカデミックなものばかり書いてきましたが、今回は、ちょっと趣向を変えて、このブログのタイトルについて書いてみようかなと思います。国際法関連の記事しか(ほぼ)読まれていないこのブログではありますが、ゆくゆくは雑記系ブログにしていきたい、できればこれがその嚆矢とならないか(昔、吹き矢と読んでいた嚆矢を使ってみたかっただけ。あなたは正しく読めますか。)。

Dancing in the Rain とは

さて、このブログのタイトルですが、なぜ Dancing in the Rainなのかと気になった人がいるかもしれません(いないかもしれません。)。人によっては、むむ、これはどこかで聞いたことあるぞ、となりますね。それでグーグル先生かなんかで検索すると画像が出てくるわけです。土砂降りの雨の中、持っている傘をグルグル振り回して、ご機嫌にタップダンスを踊りながら街を駆けずり回っている若かりし頃のジーン・ケリーの姿を。ちなみに、もう少し年をとったジーン・ケリーが好みという場合は、ロシュフォールの恋人なんてのもあります。さらに往年になるとザナドゥなんてのもあります(流石にこれはマイナーすぎるか。)。別にジーン・ケリーの回し者(そんなのがいればだけど)ではありません。

それから、そのとても有名な場面で、シーング・イン・ザ・レイン、と歌うんですよね。

違うんです。それは、雨に唄えばSingin' in the Rain)なんです。確かにこの映画、歌よりもダンスの方がメインなんじゃないかというくらい歌って踊るミュージカルですが(個人的にはGood MorningとかMake 'Em Laugh とかの明るいナンバーの方も好きです。)。

ところでこのシング・イン・ザ・レインという曲は、スタンリー・キューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」のとある暴力的なシーンでもとても効果的に使われていて(アドリブでこの曲を歌っていたというのは有名な話)なんだかトラウマになってしまったという人もいるとか。それくらい映画史に残る衝撃的なシーンなんじゃないかと。

ちなみに、雨に唄えばも時計仕掛けのオレンジ(なんならロシュフォールの恋人も)もU-NEXTで見れます(2020年2月現在)。

 

 

話を元に戻すと、歌うんじゃなくて踊るんです。

雨の中で踊るんです。それでもこれだけでどういう意味か考えろと言われてもちょっとフェアじゃないですね。というのもこのタイトルにはちゃんと引用元があります。ずばりそれは、英国の作家であるとともに世界で最も重要なドールハウスの専門家である(とwikiに書いてある) Vivian Greene 氏による以下の一節です。

"Life isn't about waiting for the storm to pass. It's about learning how to dance in the rain" 

ちょっとそれっぽくなりました。なんか人生のこと言ってるぽいぞ、となります。

それでは少し英語のお勉強タイム。ここでは、it's about -ingという割と頻繁にアメリカでよく耳にする表現が使われています。これに all を about の前につけて be all about-ing(あるいは名詞)としてもよく使います。ただ意味的には強調を加えるだけで、日本語では非常に訳出しづらいです(全然説明になっていない。)。例えば、Relationship is all about money(恋愛関係なんて金が全てだ)とか It's all about timing (何事もタイミングが大事)とか。

それじゃあここでこの一節を直訳してみるとこうなります。

人生とは、嵐が過ぎ去るのを待っていることが全てではない。それは、雨の中でどうやって踊るのかを学ぶことなのだ 

さて、ここからは解釈の問題です。それぞれの人生観に照らしながらこれを考えると、意味付けが微妙に異なってくるんじゃないのかと思うのです。

と、まあここで終わってもいいのですが、それだとほんとに英文和訳と映画だけのお話になってしまうので(英語については大したこと言ってないのだけれど)、野暮ですが僕なりの解釈を書きます。

嵐とは、生きていく上での困難や障害を指すんじゃないかと思います。それは待っていても待っていなくてもどこにいようとやって来ます。いついかなる時もそれは突然に無慈悲に宿命的にやって来るのです。でもだからといって、怯えていてはダメなんじゃないかと。じっとシェルター(あるいはどこか居心地のいい場所)に籠もって、その嵐が過ぎ去っていくのを文字通り待っているのは人生じゃない。雨の中で踊る。ポイントは、「その雨 the rain」すなわち、その嵐の雨の中で踊ることなんだと思います。

それから、実はもう一つポイントがあると思っていて(細かいですが)それは learning が使われていることです。ここでの learn は、単に学ぶというよりも、自分のものとして身につける、あるいは、マスターするといったもう少し踏み込んだ意味があります。とすれば、これは単に踊ることが大事なんだと言い切っているのではなくて、踊り方を身につけることを指しているともとれますね。

つまり、これまでのことを勘案すると、これは人生なんてどうせろくなことないんだから、うまくやり過ごせるように賢く生きないといけないよと、開き直った処世術を教えてくれているのかもしれません。

あるいは、「雨に唄えば」みたいにどれだけ雨風がひどかろうと嵐がやってこようと、その雨の中で踊って歌って楽しむ(楽しめるようにする)べきとシンプルに言っているのかもしれません。

時に辛く厳しい人生であるけれど、いつも楽しむ心を忘れない。僕は生来のポジティブ思考だからか、後者の解釈に親近感があります。人生楽しんだもの勝ち!YOLO! (You Only Live Once)みたいなところまではいけませんが。そんなこんなで、Dancing in the Rain というのは僕の中のいくつかある座右の銘みたいなものになっています。

最後に、写真の話。ブログのトップ画像にも使っているものですが、雨の写真がないかと探していたらこれがありました。アリゾナ州のフェニックス土産に買った小さなサボテンたち。はるか2000マイルを超えて我が家の窓際にやって来たタフで無口でクールなサボテンたち。雨上がりの青々とした木々もなんだか好きです。