Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

国際法

ジェノサイド条約適用事件

ボスニア・ヘルツェゴビナ vs セルビア・モンテネグロ 国際司法裁判所 判決 2007年2月26日 <事実と経過> 冷戦終結後、ユーゴスラビア社会主義共和国連邦の構成国が独立を宣言。ユーゴ解体の流れを契機として、ボスニア・ヘルツェゴビナは1991年…

核実験事件

オーストラリア VS 仏(及びニュージーランド VS 仏) 国際司法裁判所 仮保全措置命令 1973年6月22日判決 1974年12月20日 <事実と経過> 仏は、1966年から南太平洋ポリネシア領で核実験を累次にわたり実施。これに対し、豪・ニュージー…

国際法の学習資源

大学時代約2年ほど国際法を勉強した時の学習資源をまとめておきます。とりあえずザーッと書いたので折を見て全体的に補充します。 1 基本書 (1)基本国際法第2版(杉原高嶺):内容としては網羅的かつよくまとまっているので、復習用にざっと読むのに最…

逮捕状事件

コンゴ民 vs ベルギー 国際司法裁判所 判決 2002年2月14日 <事実と経過> 2000年4月11日、ベルギーは、1990年代に人種間憎悪を扇動したこと等が国際人道法に違反する罪であるとして、普遍的管轄権を定める国内法の規定を根拠に、現職のコ…

(35)国際安全保障③

IV 自衛権 1国連憲章における自衛権の地位 (1)武力不行使原則と自衛権の関係:国連憲章51条が規定。 国連憲章2条4項の定める例外としての位置付け:ただし、その対象となる「武力攻撃」は2条4項の「武力による威嚇または武力の行使」よりも狭く限…

オイル・プラットフォーム事件

イラン vs 米国 国際司法裁判所 本案判決 2003年11月6日 <事実と経過> 1980年〜1988年のイラン・イラク戦争に際して、イラクは湾岸地域を航行する船舶に攻撃を開始。イランもこれに応じてイラクと交易をする船舶に攻撃を開始し、第三国の船…

ジェノサイド条約に対する留保事件

ICJ 勧告的意見 1951年5月28日諮問機関:国連総会 <経緯> 1948年12月9日、第3回国連総会は、総会決議260(III)により、「集団殺害罪の防止及び処罰に関する(the convention on the prevention and punishment of the crime of genocud…

核軍備競争の停止及び核軍縮交渉に関する義務事件

マーシャル諸島 vs パキスタン、インド、英国 国際司法裁判所(ICJ) 管轄権判決 2016年10月5日 <事実と経過> 2014年4月25日、マーシャル諸島共和国は国際司法裁判所に対し、核兵器保有国9カ国(中国、北朝鮮、米国、フランス、英国、ロシ…

コルフ海峡事件

英国 vs アルバニア 国際司法裁判所(ICJ) (1)管轄権 1948年3月25日 (2)本案 1949年4月9日 <事実と経過> 1946年5月 北コルフ海峡を通行中の英国巡洋艦がアルバニアの沿岸砲台から砲撃を受ける事件が発生。同海峡はアルバニア本土…

中国人慰安婦損害賠償請求事件(西松建設事件)

最高裁第一小法廷判決 2007年4月27日 <事実と経過> 中華人民共和国の国民である被告2人は、第二次世界大戦当時、中国において日本軍により監禁・強姦を受けたことにより、著しい身体的・精神的苦痛を被ったと主張。日本国に対して、民法715条1…

(3)国際法の法源②

3 法の一般原則 (1)本原則の採用の意義 ICJ規程38条①c「文明国の認めた法の一般原則」(general principles of law recognized by civilized nations)PCIJ規程を踏襲 文明国は無意味 意義:各国の国内法(とくに私法や手続法)に共通する一般的な法原…

(15)海洋法②

Ⅵ 国際海峡 領海12カイリ制の確立にともない、国際的航行に使用される多くの海峡は領海化されることになる一方で、海峡は海上通商の要衝として船舶の通行がとくに重視される 伝統的国際法の下では領海化された国際海峡には「強化された無害通航権」が適用…

(12)国家領域②

Ⅲ 国家領域の取得 1領域権限の意義と類型 権原 title:国家が領域を法的に取得するための淵源をなす根拠及び証拠 19世紀から20世紀初頭にかけては、先占、添付、割譲、征服、時効 のちに併合も含むとする見解 区分:原始的取得 original mode of acquis…

(11)国家領域①

Ⅰ 領域主権の法概念 territorial sovereignty 1定義とその性格 国家領域とは国家主権の及ぶ範囲の空間をさすが、この立体的空間に及ぶ国家の権限を特に領域主権と呼ぶ。 ①立体性:領土・領海・領空で構成 ②包括性:当該地域すべての人・物・事象を支配 ③排…

在テヘラン米国大使館事件 本案判決

米国 VS イラン 国際司法裁判所 1980年5月24日 <経緯(在テヘラン米国大使館事件 仮保全措置命令以降> 1979年12月15日、ICJは人質の解放、大使館の明渡し等を内容とする仮保全措置を命令。 1980年4月24日、米軍は海軍ヘリによる人質…

在テヘラン米国大使館事件 仮保全措置命令

米国 VS イラン 国際司法裁判所 1979年12月15日 <事実と経過> 1979年のイラン革命によりホメイニ政権が誕生し、国王(シャー)は国外脱出、米国は病気療養のために国王を受け入れ 11月4日、これに対し首都テヘランの米国大使館周辺でデモ行…

(34)人民の自決権②

Ⅲ.自決権の今日的意義 (1)分離要求と自決権 非植民地化の過程で自決権に基づく国家の成立が認められたことの影響で、分離独立は広く自決権の実現として主張されるようになった。実際、冷戦以降の様々な地域紛争・民族紛争では、当事国は自決権の行使を正…

(33)人民の自決権①

Ⅰ.自決権の意義 ◯自決の原則(the principle of self-determination ) 人民(peoples)ないし民族(nation)は他者の干渉を受けることなく、みずからその政治的地位を決定し、かつ、みずからの経済的・社会的・文化的体制を追及することが出来る、とする原則。…

国際法【目次】

国際法は一通りアップし終えたので、以下、目次を作成しました。 このブログに書いたのは自分のまとめ用です。(公務員試験のため) したがってメモ書き程度だと思ってください。ただ復習用に網羅的にはなっています。 試験前に見直すにはいいかもしれないで…

(32)武力紛争法②

Ⅲ 武力紛争の犠牲者の保護 1傷病者の保護 第1回赤十字条約(1894年)からジュネーブ傷病者条約(第一条約) 自国の権力内にある軍隊の傷病者は性別・人種・国籍・宗教による差別なしに人道的に待遇・看護されなければならない 第一追加議定書は「軍人で…

(36)武力紛争法①

Ⅰ 武力紛争法の適用法理 1戦争法から武力紛争法へ (1)戦争に関する方の区分: 伝統的には二つ ①jus ad bellum:戦争に訴えることの合法・違法を規律する法 ②jus in bello:戦時における交戦国の戦闘行為を規律する法=戦争法・戦時国際法 近世初頭のグロ…

(34)国際安全保障②

5 強制措置 (1) 暫定措置 40条 39条の事態をの存在を認定した場合、直ちに強制措置を講じるのではなく、適当な勧告や必要と認める暫定措置を要請することができる(39条・40条) (2)非軍事的措置 41条 経済制裁、交通・通信手段の中断、外…

(33)国際安全保障①

Ⅰ 勢力均衡から集団安全保障へ 1勢力均衡の史的展開 対立する国家間の力のバランスを図ることで国際的安定を創出し維持する勢力均衡 balance of powerはナポレオン戦争時には機能不全に陥ったものの、伝統的には一定の役割を果たしてきた伝統的安全保障 ex.…

(32)国際紛争の平和的解決③

Ⅵ 国際仲裁裁判 仲裁裁判は紛争当事国の合意によって事件ごと(アドホック)に設置されるのに対し、司法裁判は一定数の裁判官で構成される恒常的法廷を有するものとされる。 1 国際仲裁裁判の発展史 古代ギリシャの都市国家間、ローマ時代は重視されず→中世…

(31)国際紛争の平和的解決②

Ⅲ 平和的解決の手段・方法 1 国連憲章上の平和的解決義務の位置付け 憲章33条1項:平和的解決義務 「その継続が国際の平和及び安全の維持を危なくする虞のある」紛争は、交渉、仲介、調停、国際裁判等に解決を求めるべきものとした cf.2条3項はすべて…

(30)国際紛争の平和的解決①

I 平和的解決への史的展開 1 近代国際法における紛争の解決 (1)学説の状況 国際紛争 international disputesの解決方法 ①武力による強力的解決: 報復 retorion 復仇 reprisal 抑留・差押え embargo, sequestration 平時封鎖 pacific blockade ②非武力:…

(29)国家責任法③

Ⅴ 国際請求の提起 1概説 具体的請求は事案によって異なるが、外交ルートによる賠償請求の提出、関係の国際機構への付託、国際裁判所への提訴等請求国が決める ①国家自身の権利が侵害される場合:裁判提訴の場合を除いて、特別の手続的条件や制限は なし 裁…

(24)国家責任法②

Ⅲ 国際違法行為の成立 ①問題の行為の国家への帰属=帰属の問題 imputability, attribution of conduct ②当該行為による国際義務違反=客観的要件 objective element テヘラン事件で確認 1行為の国家への帰属ー主体的要件 ⑴ 国家機関の行為 国内法上国家機関…

(23)国家責任法①

Ⅰ 国家責任法の性格 1責任法の特質 国家責任法 law of State responsibility 国家の国際法上の義務違反によって生じた法的不正常を解消し、法適合状態を回復するための条件と手続を定める国際法の規則 通常の国家の行為規範をなす「第一次規範」とは区別さ…

(22)国際機構②

Ⅲ 国際機構の組織構造 1三部構成の一般化 常設的機関 organを有することが国際会議と峻別する基準 国際連盟と国際労働機関は全加盟国で代表される総会、執行・管理の任にあたる理事会、中立的職員で構成される事務局 これら3つの主要機関がひな形となる 2…