Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

国際法

逮捕状事件

コンゴ民 vs ベルギー 国際司法裁判所 判決 2002年2月14日 <事実と経過> 2000年4月11日、ベルギーは、1990年代に人種間憎悪を扇動したこと等が国際人道法に違反する罪であるとして、普遍的管轄権を定める国内法の規定を根拠に、現職のコ…

(35)国際安全保障③

IV 自衛権 1 憲章における自衛権の地位(1)武力不行使原則と自衛権の関係:国連憲章51条が規定。 国連憲章2条4項の定める例外としての位置付け:ただし、その対象となる「武力攻撃」は2条4項の「武力による威嚇または武力の行使」よりも狭く限定。 …

オイル・プラットフォーム事件

イラン vs 米国 国際司法裁判所 本案判決 2003年11月6日 <事実と経過> 1980年〜1988年のイラン・イラク戦争に際して、イラクは湾岸地域を航行する船舶に攻撃を開始。イランもこれに応じてイラクと交易をする船舶に攻撃を開始し、第三国の船…

ジェノサイド条約に対する留保事件

ICJ 勧告的意見 1951年5月28日諮問機関:国連総会 <経緯> 1948年12月9日、第3回国連総会は、総会決議260(III)により、「集団殺害罪の防止及び処罰に関する(the convention on the prevention and punishment of the crime of genocud…

核軍備競争の停止及び核軍縮交渉に関する義務事件

マーシャル諸島 vs パキスタン、インド、英国 国際司法裁判所 管轄権 2016年10月5日 <事実と経過> 2014年4月25日、マーシャル諸島共和国は国際司法裁判所に対し、核兵器保有国9カ国(中国、北朝鮮、米国、フランス、英国、ロシア、イスラエ…

コルフ海峡事件

英国 vs アルバニア 国際司法裁判所 管轄権 1948年3月25日 本案 1949年4月9日 <事実と経過> 1946年5月 北コルフ海峡を通行中の英国巡洋艦がアルバニアの沿岸砲台から砲撃を受ける事件が発生。同海峡はアルバニア本土とコルフ島に挟まれ…

中国人慰安婦損害賠償請求事件(西松建設事件)

最高裁第一小法廷判決 2007年4月27日 <事実と経過> 中華人民共和国の国民である被告2人は、第二次世界大戦当時、中国において日本軍により監禁・強姦を受けたことにより、著しい身体的・精神的苦痛を被ったと主張。日本国に対して、民法715条1…

(3)国際法の法源②

3 法の一般原則 (1)本原則の採用の意義 ICJ規程38条①c「文明国の認めた法の一般原則」(general principles of law recognized by civilized nations)PCIJ規程を踏襲 文明国は無意味 意義:各国の国内法(とくに私法や手続法)に共通する一般的な法原…

(15)海洋法②

Ⅵ 国際海峡 領海12カイリ制の確立にともない、国際的航行に使用される多くの海峡は領海化されることになる一方で、海峡は海上通商の要衝として船舶の通行がとくに重視される 伝統的国際法の下では領海化された国際海峡には「強化された無害通航権」が適用…

(12)国家領域②

Ⅲ 国家領域の取得 1領域権限の意義と類型 権原 title:国家が領域を法的に取得するための淵源をなす根拠及び証拠 19世紀から20世紀初頭にかけては、先占、添付、割譲、征服、時効 のちに併合も含むとする見解 区分:原始的取得 original mode of acquis…

(11)国家領域①

Ⅰ 領域主権の法概念 territorial sovereignty 1定義とその性格 国家領域とは国家主権の及ぶ範囲の空間をさすが、この立体的空間に及ぶ国家の権限を特に領域主権と呼ぶ。 ①立体性:領土・領海・領空で構成 ②包括性:当該地域すべての人・物・事象を支配 ③排…

在テヘラン米国大使館事件 本案判決

米国 VS イラン 国際司法裁判所 1980年5月24日 <経緯(在テヘラン米国大使館事件 仮保全措置命令以降> 1979年12月15日、ICJは人質の解放、大使館の明渡し等を内容とする仮保全措置を命令。 1980年4月24日、米軍は海軍ヘリによる人質…

在テヘラン米国大使館事件 仮保全措置命令

米国 VS イラン 国際司法裁判所 1979年12月15日 【事実と経過】 1979年のイラン革命によりホメイニ政権が誕生し、国王(シャー)は国外脱出、米国は病気療養のために国王を受け入れ 11月4日、これに対し首都テヘランの米国大使館周辺でデモ行…

(34)人民の自決権②

Ⅲ.自決権の今日的意義 (1)分離要求と自決権 非植民地化の過程で自決権に基づく国家の成立が認められたことの影響で、分離独立は広く自決権の実現として主張されるようになった。実際、冷戦以降の様々な地域紛争・民族紛争では、当事国は自決権の行使を正…

(33)人民の自決権①

Ⅰ.自決権の意義 ◯自決の原則(the principle of self-determination ) 人民(peoples)ないし民族(nation)は他者の干渉を受けることなく、みずからその政治的地位を決定し、かつ、みずからの経済的・社会的・文化的体制を追及することが出来る、とする原則。…

国際法【目次】

国際法は一通りアップし終えたので、以下、目次を作成しました。 このブログに書いたのは自分のまとめ用です。(公務員試験のため) したがってメモ書き程度だと思ってください。ただ復習用に網羅的にはなっています。 試験前に見直すにはいいかもしれないで…

(32)武力紛争法②

Ⅲ 武力紛争の犠牲者の保護 1傷病者の保護 第1回赤十字条約(1894年)からジュネーブ傷病者条約(第一条約) 自国の権力内にある軍隊の傷病者は性別・人種・国籍・宗教による差別なしに人道的に待遇・看護されなければならない 第一追加議定書は「軍人で…

(31)武力紛争法①

Ⅰ 武力紛争法の適用法理 1戦争法から武力紛争法へ ⑴ 戦争に関する方の区分 伝統的には二つ ①jus ad bellum:戦争に訴えることの合法・違法を規律する法 ②jus in bello:戦時における交戦国の戦闘行為を規律する法=戦争法・戦時国際法 近世初頭のグロティウ…

(34)国際安全保障②

5 強制措置 (1) 暫定措置 40条 39条の事態をの存在を認定した場合、直ちに強制措置を講じるのではなく、適当な勧告や必要と認める暫定措置を要請することができる(39条・40条) (2)非軍事的措置 41条 経済制裁、交通・通信手段の中断、外…

(33)国際安全保障①

Ⅰ 勢力均衡から集団安全保障へ 1勢力均衡の史的展開 対立する国家間の力のバランスを図ることで国際的安定を創出し維持する勢力均衡 balance of powerはナポレオン戦争時には機能不全に陥ったものの、伝統的には一定の役割を果たしてきた伝統的安全保障 ex.…

(32)国際紛争の平和的解決③

Ⅵ 国際仲裁裁判 仲裁裁判は紛争当事国の合意によって事件ごと(アドホック)に設置されるのに対し、司法裁判は一定数の裁判官で構成される恒常的法廷を有するものとされる。 1 国際仲裁裁判の発展史 古代ギリシャの都市国家間、ローマ時代は重視されず→中世…

(31)国際紛争の平和的解決②

Ⅲ 平和的解決の手段・方法 1 国連憲章上の平和的解決義務の位置付け 憲章33条1項:平和的解決義務 「その継続が国際の平和及び安全の維持を危なくする虞のある」紛争は、交渉、仲介、調停、国際裁判等に解決を求めるべきものとした cf.2条3項はすべて…

(30)国際紛争の平和的解決①

I 平和的解決への史的展開 1 近代国際法における紛争の解決 (1)学説の状況 国際紛争 international disputesの解決方法 ①武力による強力的解決: 報復 retorion 復仇 reprisal 抑留・差押え embargo, sequestration 平時封鎖 pacific blockade ②非武力:…

(29)国家責任法③

Ⅴ 国際請求の提起 1概説 具体的請求は事案によって異なるが、外交ルートによる賠償請求の提出、関係の国際機構への付託、国際裁判所への提訴等請求国が決める ①国家自身の権利が侵害される場合:裁判提訴の場合を除いて、特別の手続的条件や制限は なし 裁…

(24)国家責任法②

Ⅲ 国際違法行為の成立 ①問題の行為の国家への帰属=帰属の問題 imputability, attribution of conduct ②当該行為による国際義務違反=客観的要件 objective element テヘラン事件で確認 1行為の国家への帰属ー主体的要件 ⑴ 国家機関の行為 国内法上国家機関…

(23)国家責任法①

Ⅰ 国家責任法の性格 1責任法の特質 国家責任法 law of State responsibility 国家の国際法上の義務違反によって生じた法的不正常を解消し、法適合状態を回復するための条件と手続を定める国際法の規則 通常の国家の行為規範をなす「第一次規範」とは区別さ…

(22)国際機構②

Ⅲ 国際機構の組織構造 1三部構成の一般化 常設的機関 organを有することが国際会議と峻別する基準 国際連盟と国際労働機関は全加盟国で代表される総会、執行・管理の任にあたる理事会、中立的職員で構成される事務局 これら3つの主要機関がひな形となる 2…

(21)国際機構①

Ⅰ 国際機構の概念 1国際機構の定義 存在形態が多岐にわたり、普遍的に承認された定義がない状態 しかし、国際法主体性を持つことで、非政府間組織や国際会議体とは区別 「一定の共通目的の達成のために国家間の条約により設立され、固有の意思決定能力を持…

(20)国際人権法

Ⅰ人権保障の国際化の史的発展 1国際的人権保障の前史的概要 マグナ・カルタ、権利章典、仏人権宣言、米独立宣言など欧米諸国で発展 しかし、国際法の規律事項ではなく、国内管轄事項とされた 例外①奴隷取引の規制②宗教上の少数者保護③労働者の保護のための…

(19)国際法における個人③

Ⅴ 個人の国際犯罪 1国際犯罪の概念と類型 国際法によって規律される犯罪という意味での「国際犯罪」 海賊は「人類一般の敵」 単に当該犯罪が行為が渉外性・国際性を持つにすぎないもの ex.実行地が複数にまたがる場合や犯人の国外逃亡の場合=国際的司法共…

(18)国際法における個人②

Ⅲ 犯罪人の引渡し 1犯罪人引き渡し制度の発展 古代中世ローマ法から、グロティウスによる「引き渡すか、処罰するか」、ヴァッテルも同旨 フランス革命以後、政治犯は引渡しの対象から外れる 1833年ベルギー犯罪人引渡法→19世紀以降、法的枠組みが確立…

(17)国際法における個人①

Ⅰ 国籍 1国籍の概念 国籍 nationality :人を特定の国家と結びつける法的な絆 近代国家はその構成員たる国民の存在を前提 人は国籍の取得によって場所を問わず本国の統治権に服する(国家管轄権の属人主義)国籍付与は国家の文化・経済・国防上の観点だけで…

(16)外交・領事関係法②

Ⅳ 領事関係法 1領事制度の歴史 中世の十字軍時代 地中海東方には商業都市の居留地 領事は商人仲間の長として選任、商人相互の裁判や滞在国政府との交渉 15世紀、ヨーロッパ相互国間でも普及 17、18世紀、主権国家体制のもと変貌 ①領事は本国政府が直…

(15)外交・領事関係法①

Ⅰ 外交使節制度の発展 1外交使節制度の歴史 古代ギリシャ・ローマ;特定の目的のために派遣される特派使節 13世紀ヴェネツィア:常駐外交使節の制度 イタリアの各地に派遣 15世紀にはイタリア各都市国家、ウェストファリア以降一般化 18・19世紀を…

ノッテボーム事件

リヒテンシュタイン VS グアテマラ 国際司法裁判所 管轄権:1953年11月 本案:1955年4月6日 【事実と経緯】 1905年、ドイツ人ノッテボームは中米のグアテマラに渡り、そこに生活の根拠を置いて商業・金融業を開始。 第二次世界大戦の直前に…

(18)国際環境法

Ⅰ 総説1環境と開発 国際環境法 international environmental law 環境の保護・保全をはかるための国際法の実体的、手続的、組織的規則の総称 20世紀以降、生成途上:大量生産、大量消費、大気汚染等に起因する環境破壊は人間の健康への影響だけでなく、生…

(16)国際化地域・空・宇宙

Ⅰ 国際化地域 国家領域を構成する地域・水域であって、領域国の排他的使用が制限され国際的利用に供される空間 1国際運河 ⑴ スエズ運河 地中海と紅海 1869年開通 1876年、エジプト政府保有株を買収した英国が筆頭株主 1888年、コンスタンチノー…

(15)海洋法③

Ⅸ 海洋の境界画定 1基本原則 関係国の合意によることが基本原則:誠実に交渉する義務=「合意に到達する義務」を含むものではない(北海大陸棚事件) 2条約上の画定方式の変遷 ⑴領海 領海条約12条:合意なき場合、特段の歴史的権原がある場合を別として…

(14)海洋法①

Ⅰ 海洋法の歴史 1近代海洋法の発展 ローマ法で、海は私的所有の禁止された=万人の共有物 中世後半にイタリア都市国家による地中海海域の領有権主張 大航海時代にはスペイン・ポルトガルによる広大な海洋の領有宣言 対エリザベス女王1世 オランダのグロテ…

(13)国家領域③

Ⅳ 領土紛争の解決 1領土紛争と国際法の一般原則 ⑴ 領土紛争の概念 領土の帰属をめぐる紛争と国境の画定をめぐる紛争に大別 前者は特定の地域や島 後者は地理学上の国境 ⑵ 領土紛争と領域権限の関係 権原の要件を充足すれば、その領有権を主張しうる対世的効…

(9)国家管轄権と主権免除

Ⅰ 国家管轄権 1管轄権の類型と適用範囲 国家管轄権 state jurisdiction 国家が人や物に対して統治権能を及ぼす権限 ①立法管轄権 ②執行管轄権 ③司法管轄権 場所的適用範囲:国家領域内については、国際法による特別の制限がある場合を除いて、全面的に適用 …

(8)国家

Ⅰ 国家性の要件 国家の三重の地位:国際法主体性・規範創設機能・規範実現機能 1伝統的要件 19世紀以降 モンテビデオ条約第1条:①恒常的住民、②領土、③政府、④他国と関係を取り結ぶ能力(国家性の4要件) 実効主義の原則:適法性を問わず、事実において…

(7)国際社会の基本的原則

Ⅰ 総説ー基本権概念 1 基本権概念の変遷 国際法秩序は多元的で重層的な規範構造を織り成しながら全体としてまとまりを持った体系。 それを可能ならしめる条約や慣習法上の様々な規則が調和を保つような基本原則が存在。 歴史的には、主権尊重、主権平等、国…

(6)条約法②

Ⅳ 条約の適用 1条約の不遡及の原則 条約は別段の合意がある場合を除いて、その効力が締約国について生じた日以前の行為や事実あるいはその日以前に消滅した事態には適用されない(28条) ジェノサイド条約適用事件(先決的抗弁)では、ボスニアヘルツェゴ…

(5)条約法①

Ⅰ 総説 1条約法の特質:国内の契約法の影響を受けながら発展 条約法(law of treaties) : 条約の締結、効力、適用、留保、終了等に関する規則の総称 1969年「条約に関するウィーン条約(1980年発効、国際法委員会) =国家間で締結される条約を対象…

(4)国際法と国内法

Ⅰ 序論 近代憲法は行政権に条約締結権を付与 19世紀後半までは国内法との觝触なし 背景ー君主政治により一元的に管理され、国際法の規律対象は限定的であった 産業革命から国際交易の拡大=国内法と競合 一方で、国内法と国際法の協働調和が必要な領域:人権…

(3)国際法規の効力と適用関係

Ⅰ 国際法規の一般的効力関係 国際法秩序は並列的構造=それぞれの効力に関しては優劣がない(ただし強行規範は例外) とすると問題となるのはその適用順位 Ⅱ 国際法における強行規範 1定義:強行規範(jus cogens, peremptory norm)=国家間の合意をもって…

(2)国際法の法源①

Ⅰ 法源の類型 1法源2分論の発展 形式的法源(sources of international law) と実質的法源(material source) 法の存在形式としての法源は、条約と慣習国際法に限定される(オッペンハイム) 常設国際裁判所規程(1921):38条前段 裁判の準則として…

(1)国際法の主体

1 法主体の概念 国際法上の権利義務の帰属先が論じられるようになったのは法実証主義の時代に入ってから ↔︎自然法は普遍的人類社会の法としての性格 論理的難問:受範者(destinataire)について、国際法が国家間の法としての発展してきたことは、国家以外の…