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Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

(2)国際裁判管轄①

第1節:総説 
 (1)民事裁判権に対する各種の制約
   ①主権免除(国際法上の制約) ②自発的な制限(ほとんど関係のない事案を扱うことは無益)

 (2)総論
  国内土地管轄は一国内のいずれの管轄区域へ事件を配分するかという問題に過ぎないが、国際裁判管轄は、距離的な問題、手続で用いられる言語、訴訟費用、抵触規則の相違(準拠法)など重大な問題。また手続きは法廷地の法によるの原則から、管轄がどこの国にあるかによって大きく手続きが異なってくる(ex.陪審制度の有無)
 各国はそれぞれ独自の国内法によってこの問題を規律しているため国際的に統一されていない。
  分類:直接管轄間接管轄
    前者は、我が国に国際裁判管轄があり本案判決を行ってよいかという問題
    後者は、外国判決の執行承認につき、判決を下した外国が国際裁判管轄を有していたか(民訴118条1号)

 (3)従来の判例・理論
  ⒈最高裁56年判決(マレーシア航空事件
    ①国際裁判管轄を直接規律する法規はない
    ②当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期するという理念により、条理に従い決定するのが相当
    ③条理の具体的内容は「民訴法の規定する裁判籍のいずれかが我が国にあるとき」は管轄権あり(国内土地管轄ルールの転用)
   本事案では、日本に営業所を有している被告につき管轄を認めたが、マレーシア国内線での事故であることにつき、賛否両論

  ⒉最高裁平成9年判決
   「条理」の具体的内容を修正=「特段の事情論
    第一に、民訴法の国内土地管轄ルールの転用で管轄権の有無につき判断
    第二に、当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期するという理念に反する特段の事情の有無を判断
     要件として一般化可能な事情を特段の事情の考慮に含めており(特段の事情の肥大化)、具体的妥当性を重視して法的安定性が損なわれるという問題点


 (4)国際裁判管轄に関する規定の整備
   2008年から、法制審議会で審議 2011年に「民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律」が成立。2012年4月1日から施行

 第2節:各論(民訴3条の2以下)
   国際裁判管轄の基本理念は、「当事者間の公平、裁判の適正・迅速」にあるとしても、民訴3条の2以下のそれぞれの管轄原因を検討するうえで抽象的である。具体的には、紛争の法廷地国との客観的な密接関連性、主観的関連性、弱者への裁判所へのアクセス、法廷地国の主権の保護という観点から整理し、検討すべきである。


 (1)被告に対する一般的な管轄:どのような種類の訴えであっても提訴された場合には被告は裁判を受けて立つことが要求されても仕方がないほどの関連を有している。また、防御する側の被告を重視するという手続的な公平の理念にも合致する。(法人は主たる事務所または営業所所在地(民訴3条の2③)【被告との客観的な密接関連性】


第三条の二  裁判所は、人に対する訴えについて、その住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合にはその居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には訴えの提起前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)は、管轄権を有する。