Dancing in the Rain

Life is not about waiting for the storm to pass but about learning how to dance in the Rain.

(2)訴訟手続の開始①

1 訴えの概念

 訴え:裁判所に対して、他の者に対する特定の権利または法律関係の主張を提示し、これに基づいて一定の内容及び形式の判決を求める申立て。

 ex.原告が、裁判所に対して、被告に対する契約から生じた請求権の主張を提示しつつ、これに基づいて被告は原告に対し金銭を返還せよ、という内容及び形式の判決を求める申立てを行う場合

 cf.請求:原告が被告に対してする特定の権利主張。これに加えて裁判所に対する一定の内容及び形式の判決の要求を含む広義の請求もあり。

2 訴えの類型

(1)給付の訴え:被告に対する給付請求権の主張に基づいて、被告に対して一定の作為・不作為を命じる判決を求める申立て。

 「現在の給付の訴え」と「将来の給付の訴え」:事実審の口頭弁論終結時に履行すべき状態にあるか否かで区分。ex.期限未到来の請求権や停止条件付請求権などが後者

 給付判決は執行力及び既判力を有するが、棄却する確定判決は既判力を有するが、「確認判決」であり執行力や形成力を持たない。

(2)確認の訴え:特定の権利の存在または不存在の主張に基づいて当該権利の存否の確認する判決を求める申立て。

「積極的確認の訴え」=所有権存在確認請求などと「消極的確認の訴え」=債務不存在確認請求などに区別

 判決には既判力があり、紛争の基本となっている権利の存否を確定することで派生紛争を含めた紛争を根本的に解決する機能や紛争予防機能がある。

(3)形成の訴え:一定の形成原因の主張に基づいて、裁判所に対して一定の法律関係の変動をもたらす判決を求める申立て。

「実体法上の形成の訴え」=離婚など変動すべき法律関係が実体法上のものである場合と「訴訟法上の形成の訴え」=再審の訴えなど訴訟法上のものである場合とがある。

 形成判決:判決で宣言された法律関係の変動が生じる。形成力は請求認容判決のみにあり、請求棄却判決は確認判決。

3 訴え提起の方式

(1)訴状の裁判所提出(133条1項):口頭での訴え提起は許されない(簡易裁判所を除く。)。

 訴え提起には所定の手数料を裁判所に納付しなければならず、手数料は、訴訟の目的の価額(訴額)に応じて定められる。(民訴費3条)

訴額」:原告が訴えによって主張する利益によって算定(民訴費4条①、民訴8条①)請求が全部認容され、その内容が実現された場合に原告にもたらされる直接の経済的利益を指す。果実、損害賠償、違約金または費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは訴額に参入しない。(9条2項)財産上の請求でない請求(ex.離婚)及び訴額算定が困難が極めて困難なもの(ex.住民訴訟)については160万円とみなされる(民訴費4条2項)。

(2)訴状の記載事項:当事者及び法定代理人と、請求の趣旨及び原因を記載(133条2項)これらの記載の欠缺は訴状却下の原因となる。必要的記載事項(137条)

①当事者及び法定代理人:原告及び被告が他の者から認識できる程度に特定したものでなければならない。訴訟代理人の記載は、その欠缺が訴状却下の原因になるという意味での必要的記載事項ではない。

②請求の趣旨及び原因:

 請求の趣旨:原告の要求する判決の内容及び形式の表示。 ex.「~支払え」「確認する」  

 請求の原因:原告による権利主張を特定する事実。請求を理由づける事実についても具体的に記載することを求める(民訴規53条)間接事実も記載することが防御の対象が明らかになり訴訟の円滑な進行に資するが、欠けていても訴状却下の原因とはならない。

 請求の特定:当事者によって特定された事実についてしか判決することができない(=処分権主義)のため不可欠。金銭の支払いを求める訴えについては数額を訴状に明記することが必要。金銭債務不存在確認訴訟の場合は明記せずとも不適法とまではいえない。

4 訴え提起後の手続

 事件の分配後、所管裁判長は訴状の必要的記載事項に不備がある場合は相当期間内に補正をするよう命じなければならない(137条1項前段)補正なければ却下(同2項)即時抗告可能(同3項)

 訴状の送達:副本を被告に送達(138条1項)補正命令あり。

 訴状が適式であっても当事者のその後の訴訟活動によって訴えを適法とすることが全く期待できないような場合、裁判長は送達前に判決を持って却下できるとした判例あり(最判平成8年5月28日)。

 口頭弁論期日の指定(139条):訴え提起後30日以内が原則

(1)民事訴訟とは何か

1 民事訴訟の意義

(1)目的と機能

 民事訴訟制度:民事上の紛争を解決するために社会が設けた公的な手続

 cf.「社会があるところに必ず法があり」→裁判例の蓄積が法の形に結晶化「法の歴史は裁判の歴史」

 民事訴訟の目的論:権利保護説、私法維持説、紛争解決説、多元説、目的論棚上げ説などの学説が乱立 → 目的よりも機能について正しく認識すべき。 

(2)民事紛争解決に関わる諸制度:裁判外紛争解決(ADR: Alternative Dispute Resolution)

調停:第三者が仲介または助力する形態による合意型の紛争解決手段。当事者の合意に基づく紛争解決であることから感情的なしこりが残りにくく、また解決結果に同意することから任意履行が得やすい。

仲裁:第三者である仲裁人に紛争解決を委ね、仲裁人の判断に服する旨を合意して行う形態の紛争解決手段。「裁断型」ではあるが当事者双方が合意をしなければ仲裁を行うことができない点で民事訴訟と相違する。手続は仲裁法により規律。仲裁判断は確定判決ど同一の効力を有し、一定の手続を踏めば強制執行も可能。当事者は仲裁地や仲裁機関を自由に選ぶことができ、また、手続きについても非公開とできるなど柔軟かつ自由度が高いため、国際的な企業間の商事紛争にて多用される。

民事訴訟:「強制的」かつ「最終的」な紛争解決手段。強制的=手続の開始及び強制執行。最終的=手続開始に当事者の合意を要しないことから民事に関する紛争解決の最後の受け皿として機能。その他、手続の厳格性=高い明確性及び透明性、再審理の保障など。

(3)法源

①形式的意義の民事訴訟法:「民事訴訟法」という名称の法典(平8法109) 

②実質的意義の民事訴訟法:民事の手続法の総体 ex.非訟事件手続法家事事件手続法、民事保全法民事執行法、破産法、裁判所法

 cf.慣習及び判例:実体法の世界では慣習法規についても法源性を認める場合あり(商1条2項、通則法3条等)。民事訴訟においては法源性を否定=公法上の法律関係における手続の安定性、透明性、画一性の要請あり。判例法源性は否定するも先例として事実上の拘束力を有する=法源的機能ないし事実上の法源

 cf.民訴318条①及び337条②等などの制定法が用いる「判例」は、「主論」の判決理由中で示された法律上の判断のうちの結論部分(結論命題)と結論命題の不可欠の前提となる直接的な理由部分に限るとする学説が有力。「法源的機能」としての「判例」については、制定法上の「判例」よりも外縁が緩やか。 

(4)機能的分類

訓示規定:それに違反しても訴訟上の効力には影響が生じない(=違反しても行為や手続が無効とならない又は制裁が設けられていない)規定。ex.訴訟手続の計画的な遂行(民訴147条2)、判決の言渡し(251条①)、争点整理手続後の説明義務(167条等)

効力規定:それに違反したときは、行為や手続が無効になるなど一定の影響が生じる規定。

 強行規定:裁判所の裁量や当事者の意思でその効力を変更することができない。訴訟制度の根幹や原理、裁判所の正統性の基礎となる規定など遵守が強く要請されるもの。ex.専属管轄、口頭弁論の開始、当事者能力、訴訟能力

 任意規定:当事者の合意により規定内容を変更することや異議を述べないことで不問に付すことができる規定。前者について、「訴訟上の合意」又は「訴訟契約」と呼ばれ、民事訴訟では原則許されないが、専属管轄を除く管轄の規定や控訴権の規定は例外的に任意規定。後者について、訴訟法に固有の意味における任意規定であり、責問権の放棄・喪失(90条)という。

2 判決手続の基本構造

(1)判決手続:当事者間の紛争の対象である私法上の権利関係を確定することにより、紛争解決のための基準(=判決)を作成する手続

(2)判決手続の基本理念

公正と効率

 公正:「適正」=真実に即した裁判であることと「公平」=裁判所が平等に当事者を扱うこと。

 効率:「迅速」=手続が不当に停滞・遅延しないことと「経済」=当事者の有形無形の負担を低減すること。

信義誠実の原則:民訴2条

    相手方の信頼を裏切らないように誠実に行動するべきとの考え方。判例法理により事件の個別性を超えた類型的適用が認められるようになった。

手続保障

 憲法32条が保障する「裁判を受ける権利」を具体化するために当事者に手続主体としての地位を保障すべきとする理念。特に、当事者権の中核たる弁論権=主張・立証の機会を与えられる権利を保障すべき。

(3)特別手続:通常の手続の他に設けられた特別の手続

簡易裁判所の手続:口頭による訴えの提起(271条)、準備書面の義務なし(276条①)、一定の書面審理(277条)

②人事訴訟の手続:身分関係の形成・存否の確認のための特別法。客観的な真実発見の要請が高く、当事者自治の要素を後退させる必要、手続公開の制限、画一的な法律関係の確定。

行政訴訟の手続:行訴訟。釈明処分の特則(同法23条の2)、職権証拠調べ(同24条)、判決効の第三者への拡張(同32条1項)

④各種の略式手続:手形・小切手訴訟、少額訴訟、督促手続

3 訴訟費用

(1)意義:「民事訴訟費用等に関する法律」で定められた訴訟に要する費用。裁判費用=裁判所の司法サービスの提供に要する費用と当事者費用=当事者が支出する費用のうち訴訟費用として法定されているもの。

 cf.弁護士に対する報酬:訴訟費用とはされていない。不法行為訴訟において、判例によれば、「諸般の事情を斟酌して相当と認められる額」を不法行為と相当因果関係に立つ損害として求めることができる。

 敗訴者負担の原則(61条):相手方は負担者に対して事故が支弁した費用の弁償を求める請求権を取得。

 一部敗訴の場合は、裁判所の裁量による(64条)。共同訴訟人は原則等分だが、裁判所は事情に応じて連帯や一部負担とすることができる(65条)。

(2)訴訟費用確定の手続:本案の終局判決の主文において、職権で訴訟費用の全部について負担の裁判をする(67条1項)。上訴裁判所は、裁判を変更するとき原審との総費用につき裁判する(同条2項)。訴訟費用の負担の独立の上訴は不可(282条・313条)。

(3)資力が不十分な当事者の救済制度:訴訟救助(82条)=一定の訴訟費用の支払いを猶予(83条)・法律扶助=一定の範囲で弁護士費用などの立て替えを行う制度。

ジェノサイド条約適用事件

ボスニア・ヘルツェゴビナ vs セルビア・モンテネグロ 国際司法裁判所

判決 2007年2月26日

<事実と経過>

 冷戦終結後、ユーゴスラビア社会主義共和国連邦の構成国が独立を宣言。ユーゴ解体の流れを契機として、ボスニア・ヘルツェゴビナは1991年10月に独立を宣言。これに対し、地域人口の一部を占めるセルビアは独立に反対し、1992年4月7日には、ボスニア・ヘルツェゴビナ領域内のセルビア人が「スルプニカ共和国」を樹立。これを契機にセルビアボスニア・ヘルツェゴビナ間で武力衝突が発生。こうした旧ユーゴの解体に伴い、民族・宗教間での対立が激化し、内戦へと発展し、多くの犠牲を出した。

 1993年3月20日、ボスニア・ヘルツェゴビナは、「集団殺害の罪の防止及び処罰に関する条約」ジェノサイド条約(以下、条約)9条を根拠として、セルビアモンテネグロ共和国が樹立したユーゴスラビア連邦共和国(後に、セルビア・モンテネグロに改称。以下、セルビアが、ジェノサイド条約、国際人道法、国連憲章国際慣習法等に違反して集団殺害、武力行使、主権侵害、内政干渉等を犯したとして国際司法裁判所(ICJ)に提訴し、セルビアの国際違法行為の確認と損害賠償を求めた。

<判旨>

1 ジェノサイドの存在

 条約1条は、締約国にジェノサイドを防止し、処罰する義務を定めるが、条約は、締約国にジェノサイドを実行しないことも義務付けていると解釈。

 条約2条によると、ジェノサイドとは、①「国民的、民族的、人種的又は宗教的集団」の、②「全部又は一部に対し、その集団自体を破壊する意図」を持って、③集団構成員の殺害等列挙された行為をすること意味する。

 スルプニカ共和国軍によるスレブレニツァの虐殺(1995年7月、約7000人のムスリムが殺害)については、旧ユーゴ国際刑事裁判所ICTY)がジェノサイドを認定した。裁判所は同認定を踏襲し、虐殺がジェノサイドであったと認定する。

2 集団の行為の国家への帰属

 スルプニカ共和国のジェノサイド行為が、セルビアに帰属すると認定できれば、セルビアの国家責任を追及可能。

(1)国際慣習法及び国家責任条文4条に照らして、スルプニカ共和国がセルビア国内法上の機関であったとは認定できない。

(2)ニカラグア事件判決で判示したように、国内法上の機関でなくても、人又は集団が国内法上の国の機関の地位を持たない場合でも、事実上、国に「完全に従属」する場合には、当該集団の行為は国に帰属する。しかし、スルプニカ共和国は、セルビアから支援は受けていたものの、虐殺時には限定的であるが独立性はあったのであり、「完全に従属」していたとは言えず、事実上の国の機関とは認定でいない。

(3)国際慣習法である国家責任条文8条によれば、人又は集団が国の機関の地位を持たない場合でも、違法行為が国の指示又は指揮もしくは支配の下で行われたならば、当該集団の行為は国に帰属する。同条は、ニカラグア事件判決で判示した基準に照らして解釈され、「実効的支配」が証明されなければならない。違法行為が国家に帰属するためには、違法行為を行った人又は集団によりとられた行動全般に対してではなく、違法と主張される個々の行為に対して国の「実効的支配」が行使された又は指示があったことが示されなければならない。

 これに対し、ボスニアは、ICTY上訴裁判部のタジッチ事件判決(1999年)が判示した「全般的支配」の基準の採用を主張した。これは、集団殺害は多くの特定行為が異なる時と場所でなされることにより構成されるという特殊な性格を有することから、個々の行為に対して「実効的支配」が存在する必要なく、作戦全体に対して「全般的支配」が存在すれば十分であるというものである。

 しかし、「全般的支配」の基準は、武力紛争の国際性の基準としては適切であるが、国家責任の基準としては説得力を欠く。国際違法行為の性格によりこれを国に帰属させる規則は変わるものではなく、「全般的支配」の基準は行為と国家の間に存在すべき結びつきをほとんど断ち切るという欠陥を有することから採用できない。

 スレブレニツィアの虐殺はセルビアの関与の下に行われたが、それは実効的支配に該当するものではなかった。

(4)以上から、スルプニカ共和国のジェノサイドはセルビアに帰属しない。

3 ジェノサイドを防止する義務

(1)ジェノサイドを防止する義務は行為の義務であり、「相当の注意」義務を果たしたか否かにより国家の責任の有無が決定する。この防止義務の履行は、ジェノサイドの行為者に対する影響力等によって評価される。また、防止の手段がジェノサイドの防止に十分であったか否かは無関係である。この義務は、国家がジェノサイドの危険を知っていたか、通常知るべきであったことが必要である。

(2)セルビアは、スルプニカ共和国と強固な関係にあり「影響力」を行使できる立場にあったこと、当時の状況からスレブレニツァが占領された時点でジェノサイドが行われる危険を了知していなかったとは考えられないこと等から、セルビアはジェノサイドを防止するために措置をとらなかったことにより防止義務に違反した。

4 義務違反に対する賠償

 セルビアの防止義務違反とスレブレニツァのジェノサイドの間に因果関係はなく、防止義務を履行すれば虐殺を回避され得たとは証明されなかった。故に金銭賠償ではなく、満足(サティスファクション)が適切である。判決主文において、セルビアが防止義務を履行しなかったとの宣言がサティスファクションを構成する。

 

 

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核実験事件

オーストラリア VS 仏(及びニュージーランド VS 仏) 国際司法裁判所

保全措置命令 1973年6月22日
判決      1974年12月20日

 <事実と経過>  

 仏は、1966年から南太平洋ポリネシア領で核実験を累次にわたり実施。これに対し、豪・ニュージーランドなどの南太平洋諸国は抗議。これを背景に両国では非核綱領を掲げる労働党政権が誕生。1973年1月3日、豪は、大気圏核実験が法的規範に反するという内容の抗議文書を仏に送付。

 同年5月9日には、ICJ規程第36条1項と第37条、1928年国際紛争平和的処理に関する一般議定書17条、代替的にICJ規程36条2項を根拠に、以下を求めて仏をICJに提訴。同時に、核実験の停止を求める仮保全措置も要請。

(1)南太平洋における大気圏核実験の実施は、適用される国際法の諸規則に違反すると判決し、宣言すること。
(2)仏がこれ以上そのような核実験を行わないよう命令すること。

 仏は、5月16日の書簡において、1928年議定書の効力は消滅したこと及び「国防」に関する事項は管轄権受託宣言から除外されていることを主張し、管轄権を否定した。(その後、訴訟プロセスには参加せず)

<命令要旨>

(1)仮保全措置を指示するには、原告が主張する権利が、一応(prima facie)裁判所の管轄権内にあることが必要。
(2)原告は、①大気圏核実験からの自由の侵害、②放射性降下物が堆積及び飛散することによる領域主権侵害と自国内の行為を独自に決定する権利の侵害、③公海自由の権利の侵害を主張。
(3)②については、大気圏核実験に起因する放射性物質の堆積が損害を生じさせ、回復不能であることが立証されうる可能性があることを指摘すれば十分である。
(4)従って、裁判所は仏に対し、放射性下降物の堆積をもたらす核実験を避止すべきであることを命ずる(8対6)

<判決要旨>

(1)裁判所は、「司法機能の行使に対する固有の限界」(北部カメルーン事件)を遵守するために必要な行動をとる固有の管轄権が存在。管轄権及び受理可能性に優先して、本質的に先決的な問題である「紛争の存在」について検討する。
(2)紛争の存在をに認定するにあたり、まずは請求の真の趣旨及び目的を明らかにしなければならない。請求の全体、原告の議論、外交文書、公的声明等から総合的に検討すれば、それは、裁判所による宣言的判決ではなく、南太平洋で仏が行なっていた大気圏核実験の終了である。
(3)裁判所は、被告の行動に関するあらゆる展開を考慮する。仏大統領の記者会見や国防大臣のインタビューから、仏は1974年の一連の実験が終われば大気圏核実験の実施を止めるという意図を公に示したと判断する。

(4)一方的行為としてなされた法的・事実的状況に関する宣言が法的義務を創設する効果を持つことは認められる。この種の約束は、公になされ拘束される意図を有すれば他国の受諾や反応がなくとも拘束的となる。なお、国家の自由を制限する声明の場合は厳格な解釈が要求される。創設される法的義務の基本的原則は信義誠実の原則であり、関係利害国が一方的宣言を了知し、それを信頼するならば当該義務の履行を要求する権利を有する。仏の一方的宣言は、公にそして対世的になされたものであり、法的拘束力を有する約束を構成すると結論する。
(4)当事国間の紛争の存在は、裁判所が司法機能を行使するための第一義的な条件。核実験を終了するとした仏の一方的宣言は本件紛争を消滅させた。裁判所は、原告の請求は目的を失い、それに対する判決を下す必要はないと結論する。(9対6)

<論点>

(1)仮保全措置命令において、潜在的危険と損害可能性のみで権利保全を認めたことから、危険責任主義予防原則等の国際環境法に発展を示唆。
(2)豪は、部分的核実験禁止条約の大気圏核実験禁止規定の慣習法化を主張するも多数意見は検討せず。

(3)国家の一方的行為の法的拘束力を認めた先例として著名。 

<参考>

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国際法の学習資源

大学時代約2年ほど国際法を勉強した時の学習資源をまとめておきます。とりあえずザーッと書いたので折を見て全体的に補充します。

 

1 基本書

 (1)基本国際法第2版(杉原高嶺):内容としては網羅的かつよくまとまっているので、復習用にざっと読むのに最適。通読するには初学者にはとっつきにくい。本ブログの記事はこの本をベースにしてまとめたもの。

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(2)国際法第5版有斐閣Sシリーズ(松井芳郎他):非常にコンパクトにまとまっていて導入に最適。そしてハンディ。なんだかんだ一番お世話になったかもしれない一冊。

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(3)国際法(酒井他):高度で専門的。最先端の議論をフォロー。分厚い。お値段もそれなり。よっぽど好きならいいのかなと思いつつ、図書館で読むくらいだった。持ってたらかっこいい。

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(4)国際法(浅田他):恩師の著書。編書ということもあり各章でムラがある印象だが、基本的にはわかりやすく解説されていてトピックごとにはよく参照していました。章末問題がついているので頭の体操にもなる。いつの間にか第3版。

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(5)国際法第3版(有斐閣アルマ):初学だとコレを勧められるのでしょうか。読んだことないのでわからないですが、やっぱりちょっと浅いので、上記のSシリーズの方をオススメします。

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2 演習用

(1)プラクティス国際法(柳原他):ズバリ演習用の教材。他の法律科目と違って演習本が少ない国際法において貴重な一冊。学部の試験はこれでイメージ得つつ対策。

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(2)プラクティス国際法(香西他):上記1と同名の著作なるも関係性は不明。現在は絶版。中古では存在。旧外交官試験や公務員試験の過去問を題材にしており、その手の試験対策においては最良の書。

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3 判例

(1)国際法判例百選:言わずとしれた「百選」。ただし、後述する観点からあまり使用せず。

 

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(2)判例国際法:事件ごとに含まれる国際法上の論点をそれぞれ解説。こちらは事件ベースの記載であり、百選は論点ベース。国際法判例は、基本的に一つの案件に様々なイシューが含まれており、それを複合的に解釈する必要がある以上、こちらの判例集のまとめ方の方が良い。

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(3)国際法基本判例50:コンパクト。事件ベース。浅く広く学べる。

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4 条約集

 下記二択のように思います。

 (1)ベーシック条約集

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(2)コンサイス条約集

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